近年ブームとなっている「終活」。
終活を始めようと考える理由は人それぞれですが、生前整理について正しい知識を身につけていなければ、スムーズに整理できなくなってしまいます。
そこで本記事では、生前整理がどのようなものであるか、生前整理を行うメリットデメリット、生前整理の進め方などについて、詳しく説明します。
目次
そもそも生前整理とは?
生前整理とは、心身ともに元気なうちに、身の回りを整理しておくこと。
よく遺品整理と混同する人がいますが、故人が残した遺品を家族が片付ける遺品整理とは違い、生前整理は亡くなる前に自分自身で身の回り品や心の整理をつけておくことを言います。
また、生前整理は老後に行うものだと考えられがちです。
しかし、事故や病気、災害などで若くして命を落とすケースもあるため、「老全整理」として若いうちに生前整理を行う人もいます。
生前整理を行う4つのメリット
生前整理を行うことには、以下の4つのメリットがあります。
・遺される家族が落ち着いて遺産を整理できる
・自分自身の整理につながる
・快適な環境で生活できる
・財産トラブルを回避できる
これらのメリットを知っておけば、体力があり元気なうちから生前整理を始める大切さがわかるようになるでしょう。
ここからは、生前整理を行うメリットについて、詳しく説明します。
遺される家族が落ち着いて遺産を整理できる
生前整理を行う1つ目のメリットは、遺される家族が落ち着いて遺産を整理できることです。
人生の最期を迎えると、遺された家族は葬儀の準備や位牌選びなど、さまざまな手続きに追われます。
中でも遺影の準備は早めに行わなければならず、故人の写真がどこにあるのか分からない状態になっていては、スムーズに準備を進められなくなってしまうことも。
生前整理を行っていれば、葬儀の準備を落ち着いて行えるようになるだけでなく、遺品の片付けや生前お世話になった人への連絡がスムーズにできます。
遺される家族の負担を軽減するためにも、生前整理を進めておくのがおすすめです。
自分自身の整理につながる
生前整理を行う2つ目のメリットは、自分自身の整理につながること。
遺される家族に配慮して生前整理を行う人も多いですが、生前整理をしておくことによって、自分自身の心の整理にもつながります。
今までお世話になった人へ感謝の気持ちを伝えられるため、納得いく形で人生の幕を降ろしやすくなるのです。
また、他者に知られたくないプライベートな情報は誰でも持っているもの。
不必要な情報が遺された人の目に触れないようにするためにも、生前整理を行っておくことは大切です。
快適な環境で生活できる
生前整理を行う3つ目のメリットは、快適な環境で生活できることです。
人生を長く歩んでいるほど、一緒に過ごしてきた物が増えてしまいがち。
大切な物をすぐに処分する必要はありませんが、不要な物を事前に整理しておくことで、快適な環境で残りの人生を過ごせるようになります。
また、部屋に置いてある物が原因で、転倒など予期せぬトラブルが起こるケースも。
生前整理をしておけば、安全な暮らしを実現できるようになりますよ。
財産トラブルを回避できる
生前整理を行う4つ目のメリットは、財産トラブルを回避できることです。
遺された財産によっては、親族などの間で相続が発生します。
生前整理をしていなければ、財産をどのように分配するのかというトラブルが発生する可能性が高くなり、大切な家族の関係が悪化してしまうケースも。
生前整理をしていれば、どのような財産が残っているのかを明らかにでき、誰にどのように分配するのかを事前に決められます。
不要なトラブルを避けるためにも、生前整理をしておくのがおすすめです。
生前整理を行う3つのデメリット
生前整理を行うことには、メリットだけでなくデメリットもあります。
生前整理を行うデメリットは、以下の3つです。
・時間や手間がかかる
・正しく価値を算定してもらえない場合がある
・ある程度の費用がかかる
生前整理を行うことによるデメリットを把握しておけば、余裕を持って身の回りを整理できるようになりますよ。
ここからは、生前整理を行うデメリットについて、詳しく説明します。
時間や手間がかかる
1つ目のデメリットは、時間や手間がかかること。
幅広い関係者にお世話になっていたり、身の回りの物が多かったりすると、それだけ整理に時間がかかってしまいます。
特に仕事を抱えながら生前整理を行おうとすると、忙しい時間の合間に整理しなければならなくなります。
生前整理が負担になって仕事や日常生活に影響してしまっては、余生を快適に過ごすことができなくなってしまうのです。
正しく価値を算定してもらえない場合がある
2つ目のデメリットは、正しく価値を算定してもらえない場合があることです。
身の回りの物を整理するために、不用品を売却しようと考える人もいます。
不用品を買取ってくれる店舗はたくさんありますが、中には正しく価値を算定してもらえない店舗も。
不用品の売却について正しい知識を持っていなければ、気持ちよく身の回り品を整理できなくなってしまうため、注意が必要です。
ある程度の費用がかかる
3つ目のデメリットは、ある程度の費用がかかってしまうこと。
生前整理は不用品を売却するため、手元にお金が残ると考える人が多いです。
しかし、ゴミ処理や家電のリサイクルには費用がかかるのが通常で、処分する物が多くなるほど費用が大きくなってしまいます。
また、財産を法的に管理しようと思うと、行政書士や司法書士といった専門家に依頼する費用が必要に。
一度にまとめて整理しようとすると、かなりの費用負担になりかねないため、余裕を持って生前整理を始めておくのがおすすめです。
生前整理を始めるのに適した時期とは ?
余裕を持って始めるのがおすすめの生前整理ですが、実際にどれくらいの時期から始めれば良いのか悩むもの。
生前整理を始めるのに適した時期を知っておけば、あなたのライフステージに合わせて落ち着いた気持ちで身の回りを整理できるようになりますよ。
少し早いくらいが適している
生前整理を始めるのに「早すぎる」という時期はありません。
「少し早いかな」と思うくらいがちょうど良いのです。
いきなり生前整理で行うべきことをすべて完了させる必要はありません。
大まかにでも良いので、できることから始めてみましょう。
ライフステージの変化をきっかけにしても良い
生前整理はいつ始めても良いものですが、具体的なきっかけがあると行動に移しやくなります。
生前整理を始めるきっかけで特に多いのは、ライフステージの変化。
どのようなライフステージの変化が生前整理を始めるきっかけになるのかを知っておけば、行動に移すタイミングをつかみやすくなりますよ。
定年退職したとき
働いている時は、勤務時間だけでなく通勤時間などに多くの時間を割いているため、生前整理に時間をかけることは難しくなっています。
しかし、定年退職すれば時間に余裕を持った生活が送れるようになるので、生前整理を行うにはピッタリのタイミングです。
また、定年退職直後は体調に大きな異変が起きていないケースがほとんど。
心身ともに健康で、社会とのつながりも多いうちに、生前生理を始めるのがおすすめです。
配偶者が亡くなったとき
配偶者が亡くなると、自分自身で葬儀の手続きや遺品整理を行うことになります。
亡くなったら遺された家族がどのような行動をしなければならないのか、どのようなことに困るのかを、身をもって体験するようになります。
それによって生前整理の重要性を感じ、身の回りの整理を始めるようになる人は多いです。
子育てが終わったとき
子育てが終わると、子どもに費やしていた時間を自分の時間に割り当てられるようになります。
それによって、時間に余裕を持って生前整理を進められるのです。
また、子育てにかかっていた経済的な負担も大幅に減少します。
子育てが終わり経済的な余裕が生まれると、身の回り品の処分費用などに充てられるようになるのです。
それによって、気持ちに余裕を持って生前整理を進められるようになるでしょう。
体調に不安を感じたとき
ケガや病気などで体調に不安を感じると、亡くなった時のことが頭をよぎるケースも。
大きな障害が発生していなければ、自分の力で生前整理を進められるため、生前整理を始める良いきっかけとなるでしょう。
また、体調に不安を感じた時に生前整理をしておけば、気持ちをリセットして前向きな気持ちになれると期待できます。
一度心の区切りをつけて、残りの人生を有意義に過ごすためにも、体調に不安を感じた時に生前整理始めるのは、良いタイミングだと言えるのです。
生前整理でやることとは?
生前整理をスムーズに進めていくためには、どのようなことに取り組めば良いか把握しておくのが大切。
何も計画せずに生前整理を進めてしまうと、後になってトラブルが発生したり、生前整理自体が負担になったりする危険性があります。
具体的に取り組む内容を明確にしておけば、やるべき行動がはっきりするため、予定を立てながら落ち着いた気持ちで生前整理ができるのです。
ここからは、生前整理でやることについて、詳しく説明します。
財産目録を作成する
1つ目は、財産目録を作成することです。
財産目録は、亡くなった後に相続する内容を一覧にまとめたものです。
視覚的に財産の内容が把握できるため、死後の財産の取り扱いを計画しやすくなるのです。
負の財産についても記載しておく
財産には、預貯金や美術品、骨董品や貴金属といった正の財産だけでなく、負の財産もあります。
具体的には、借金や買掛金、未払い家賃や滞納税などがあり、これらもまとめて財産目録に反映させなければなりません。
財産を受け取る人は負の財産も受け取らなければならないので、負の財産があることを伝えておかなければ、後でトラブルになることも。
亡くなった後にスムーズに財産の処理を進めてもらうためにも、財産の種類ごとにできるだけ具体的に記載しておきましょう。
身の回りのものを断捨離する
2つ目は、身の回りのものを断捨離することです。
これは生前整理だけでなく、日常的な片付けにも共通しています。
処分して良いものと残すものを分別しようとすると、どちらにしようか悩むものが出てきます。
そのような場合、「1年間使用しなければ処分する」や「亡くなった時に一緒に処分してもらう」といったルールを設定しておきましょう。
断捨離を進める上でのルールを決めておけば、ルールに沿ってスムーズに身の回り品を整理できるようになりますよ。
エンディングノートを活用する
3つ目は、エンディングノート活用することです。
「生前整理をどのような手順で進めれば良いか分からない」という人でも、エンディングノートを使用すれば具体的な手順を視覚化しながら生前整理を進められます。
お墓の選び方や遺言の遺し方、お世話になった人への感謝の伝え方や亡くなった後の希望といった、人生の最期をおだやかに迎えるために必要なポイントが分かりやすくまとめられているのです。
エンディングノートは書店やインターネットで簡単に手に入るので、まずは手に取って読むところから始めてみても良いでしょう。
遺言書を作成する
遺された人に向けた意思表示となる遺言書。
遺言書を作成しておけば、財産分与で起こるトラブルを防いだり、希望通りの葬儀やお墓に関する手続きを進めてもらえたりします。
ただし、遺言書によっては証人が必要なものや、公証役場に保管されるものなど、法的な有効性を持たせるために必要な手続きも存在します。
不安な場合は専門家に依頼して遺言書を作成するのも、方法の1つです。
生前整理の専門家に相談する方法も
「自分自身で生前整理を進めていくのは不安」という人は、生前整理の専門家に相談してみても良いでしょう。
ここからは、生前整理に精通している専門家について、詳しく説明します。
生前整理アシスタント
生前整理アシスタントは、生前整理に関する基本的な知識を身につけていることを証明する資格。
ステップアップしていけば、生前整理コンサルタントや生前整理コンサルとマスターへとキャリアアップできるようになっています。
生前整理コンサルとマスターになると、生前整理に関するアドバイスをより専門的に行えるようになるのです。
生前整理アドバイザー
生前整理アドバイザーは、生前整理普及協会が認定している、生前整理に関する知識を身につけているのを証明する資格です。
生前整理アシスタントと同様に、等級が上がるほど専門的な知識や指導技術が身についていることになります。
生前整理に関わる業種の人が資格を取得するだけでなく、生前整理を考える一般の人でも資格を取得できるのが特徴です。
生前整理作業技能士
生前整理作業技能士は、生前整理普及委員会が認定している民間資格。
生前整理アドバイザー2級を取得していると受講できる資格で、資格を取得することによって生前整理や遺品整理に携わる業種に就職しやすくなります。
資格を取得すれば、自分自身の生前整理を円滑にできるようになるだけでなく、家族や友人の生前整理を助けることにもつながる資格です。
生前整理診断士
生前整理診断士は、生前整理についてはもちろん、介護や葬儀、相続といった人生の最期に関わる幅広い知識を身につけていることを証明する民間の資格。
生前整理診断士として働いている人はほとんどおらず、多くの人は組織に属している会社員になります。
組織の中に生前整理に精通した職員がいることによって、会社としての信頼性が高くなるというメリットが。
生前整理について相談したい時は、生前整理診断士が在籍しているかどうかを確認しておくと良いでしょう。
財産の種類ごとの生前整理方法
生前整理を行う上で財産を正しく整理しておくことは、相続問題を避けたり、身の回り品をスッキリさせたりするために重要です。
ここからは、財産の種類ごとに生前整理の方法を説明します。
骨董品 ・美術品 ・貴金属
骨董品や美術品、貴金属は、リサイクルショップなどで買取ってもらうことも可能です。
しかし、専門的な知識のない人に鑑定してもらうと、正しい鑑定結果を出してもらえないことも。
劣化や破損がある場合でも価値をつけてもらえる場合があるため、無理に修理や補修をせずに専門家に鑑定を依頼しましょう。
土地や建物
空き家問題が深刻化している中で、土地や建物の取り扱いをはっきりさせておくことは重要です。
不動産を相続する場合、現物分割や換価分割、代償分割や共有分割といった、複数の選択肢から適切な方法を選ばなければなりません。
亡くなった後に身内で揉めるといった悲劇を起こさないためにも、財産目録や遺言書を作成しておくことが大切です。
自動車
相続を受ける人の多くは、不要なものは売却してお金に変えた方が良いと考える傾向があります。
そのため、家族などが現物を引き継ぎたいという希望がなければ、なるべく早めに現金に変えて整理した方が良いです。
不動産と同様に自動車のような動産も、売却が完了するまでの手続きに時間がかかってしまい、余裕を持って整理しておくことが重要です。
預貯金 ・有価証券
複数の口座を持っている場合は、1つにまとめた上で不要な口座を解約しておきましょう。
また、株式や投資信託といった有価証券を保有している場合、相続するために新たな口座開設が必要。
引き続き運用するのか売却するのかをはっきりさせておくことが大切です。
もし相続する場合は、相続を受ける人に必要な情報を漏れなく伝えておきましょう。
生前整理におすすめの買取店3選
生前整理で不用品を売却しようと考えている場合、正しく価値を査定くれる店舗を選ぶのがポイント。
長年大切にしてきたものを適切に買い取ってくれるおすすめの店舗は、以下の3つです。
・retro
・福ちゃん
・おたからや
これらの店舗の特徴を知っておけば、あなたが売却したい商品を納得いく形で手放せるようになりますよ。
ここからは、生前整理におすすめの買取店について、詳しく説明します。
retro.jp
出典:retro.jp
1つ目におすすめする買取店は、「retro.jp」です。
retroはブランド品の買取を得意とした買取店となっています。
ブランド品の買取りをしてくれる店舗はたくさんありますが、納得いく査定をしてくれなかったり、中には買取ってもらえなかったりするところも。
高額買取で有名な店舗に行こうと思っても、遠方に住んでいる人はなかなか足を運ぶことができません。
retroでは、他店で買取してもらえなかったブランド品にも価値をつけてくれます。
キズや汚れ、黄ばみやくすみのあるブランド品でも、積極的に買取ってくれるのです。
持込買取だけでなく、出張買取や宅配買取にも対応しているため、遠方に住んでいる人でも安心して依頼できます。
生前整理で出てきたものをretroに買取してもらうにはこちら
福ちゃん
出典:福ちゃん
2つ目におすすめする買取店は、「福ちゃん」です。
福ちゃんは骨董品の買取りを得意としている店舗。
骨董品の査定に卓越した鑑定士ばかり在籍しているため、一見無価値だと思っていた骨董品にも高額な査定結果を出してくれるケースもあるのです。
過去の買取実績は600万点を超えており、骨董品収集を趣味にした人だけでなく、生前整理を目的としている人にも、親切で丁寧な対応をしてくれます。
「欠けや汚れがあるから処分するしかない」と諦めていた人でも、福ちゃんならしっかりと価値を見極めて査定してくれますよ。
おたからや
出典:おたからや
3つ目におすすめの買取店は、「おたからや」です。
おたからやは、貴金属の買取りに特化した店舗になります。
生前整理で金がネックレス、時計やアクセサリーを売却したいと考える人は多いもの。
貴金属を買取ってくれる店舗はたくさんありますが、正確に価値を査定してくれる店舗は限られているのです。
また、おたからやは業界の中でも買取り品目が最多となっています。
そのため、他店で買い取ってもらえなかった貴金属にも活用つけてもらえる可能性が高いのです。
経年劣化で汚れていたり破損していたりしても、積極的に買い取ってもらえるため、諦めずに一度問い合わせてみてはいかがでしょうか。
生前整理で出てきたものをおたかやらに買取してもらうにはこちら
生前整理のまとめ
生前整理では自分自身だけでなく、遺される家族やお世話になった人たちと穏やかな気持ちで別れられるようにするために身の回り品の整理と同時に心の整理も行うことが大切です。
ここで説明した内容を参考にして、余裕を持って生前整理を進められるようになり、残りの人生を有意義に過ごせるようになってください。