年末の風物詩といえば、紅白歌合戦。
いやいや。SASUKEでしょ!という方も多いのでは。筆者の井出もSASUKEファンで、小学生の頃から毎年欠かさず観ています。
2024年のSASUKEは、宮岡良丞さんただ一人がファイナリストとなりました。
宮岡さんですが、なんと普段は愛媛銀行の行員という異色のバックボーン。シャツにネクタイだったのは行内稟議の関係…?
残念ながら完全制覇とはなりませんでしたが、ぜひ来年こそは!完全制覇者になっていただきたいですね。在籍の愛媛銀行にはかなり宣伝効果あったのではないでしょうか。
そんな宮岡さんの華々しい活躍の裏で、銀行員が起こした話題のニュースといえば、三菱UFJ銀行の貸金庫窃盗事件ではないでしょうか。
2025年になってやっと容疑者の逮捕並びに実名が報道されました。
今回は、銀行員の友人監修のもと、事件概要から背景まで色々と語ってまいります!
目次
事件の概要
三菱UFJ銀行によると、貸金庫の利用顧客からある相談が。
このような相談が寄せられたことがきっかけとなり、2024年10月に元行員(40代女性)による窃盗の事実が明るみになりました。
銀行が元行員に確認したところ盗んだことを認め、2024年に懲戒解雇にした上で事案を公表していました。
被害に遭われたのは練馬支店と玉川支店の貸金庫を利用していた少なくともおよそ60名で、被害額は時価にして10数億円にのぼるということです。
2025年1月14日に、遂に容疑者が逮捕・実名が報道されることとなりました。今村由香里容疑者、46歳。元支店長代理という肩書きのある元行員です。
ちなみに逮捕理由としては【金塊約20kg、2億6000万円相当を盗んだ疑い】とのことですが、実際には現金が約10億円、金塊が7億円相当の被害とされており、立証されていない部分も含めるとまだまだ余罪があると思われます。
なんで容疑者は貸金庫から盗みを働いた?
銀行員という顧客の資産を守る立場である行員が、なぜ横領に走ったのか…
調べによると、横領の理由として競馬やFX等で多額の損失を出し、消費者金融から借金があったとのこと。
その返済に困ったことで、貸金庫の金品を盗むようになったそうです。
その後は盗みがバレないように、他の顧客の金庫から盗んだ現金や、金塊を質屋に売って作った現金を金庫に戻したりと、補填と窃盗を繰り返し行うようになったとのことでした。
このような行為が4年ほど前から繰り返されていたとのことですが…よくバレなかったなと感じます。
今村容疑者の誤魔化しがうまかったのかもしれませんが、ある意味三菱UFJ銀行の内部管理の杜撰さも露呈していると思いますね。
逮捕された【今村由香理容疑者】について
さてそんな今村容疑者ですが、どのような人物だったのでしょうか。
報道によると東京都の短大を卒業後、三菱UFJ銀行に入行。当初は窓口業務や事務を補助する所謂【一般職】だったそうです。
勤務態度は非常に良好とのことで、仕事ぶりも評価されていたのだとか。
昇格試験にも合格し、マネジメント業務に携わる【総合職】へ転向。その後は支店長代理や営業課長を務め、着実にキャリアを積んでいたようです。
これだけ見ると、非常に努力家で真面目な方だなという印象を受けますね。
銀行員の友人も同じことを話されていました。
銀行の貸金庫のシステムについて(銀行員友人監修)
貸金庫ってそもそもどういうシステムなの?
銀行の貸金庫は、個々人の大切な資産や書類等を保管するための専用の金庫を、各銀行が貸し出すサービスです。
調べる限りですと金庫サイズにもよりますが安くて月額1,000円〜、高いと10,000円以上の貸金庫もあるそうです。
貸金庫に入れられるものですが、基本的に危険物や破損・変質してしまう可能性のあるもの以外、なんでもいいそうです。
預けるものは個々人によって変わってくるかと思いますが、よく預けられるものとしては有価証券や契約書をはじめ、遺品や思い出の品など、多岐に渡るようです。
行員は内容を把握しているの?個人の金庫を開けられるの?
ちなみに行員は、個々人の貸金庫の内容を把握することはできないそうです。
また、貸金庫に関わる人員自体もかなり限られているらしく、仕組み自体あまり把握していない行員も多いそう。(※友人の勤めている銀行の話のため、銀行によって異なる可能性あり)
ちなみにごくごく稀に「貸金庫に預けた物品がなくなっている!」という顧客からのクレームがあるそうですが、基本的にスペアキーは封筒に入れて封緘されているので、行員は開けること自体が難しいどころか、貸金庫ゾーンにすら入ること自体が相当難しいそうです。(上長の判が必要とのこと)
このような場合、銀行側の対応としては「警察に被害届を出してください」との対応になるそうです。
ただ報道のように金塊、現金の場合、所謂表にできないお金だったりする(脱税やマネーロンダリング等で得た可能性が高い)のか、警察への届けを渋る方もいらっしゃるとかどうとか…
すぐ逮捕されなかった理由
ちなみに今村容疑者ですが、事件発覚から逮捕まで、実に2ヶ月ほどの時間が経っております。
なぜここまで時間がかかったのか、考えられる理由を書いてみました。
貸金庫という特性上、事実確認に時間が必要だった
おそらく一番の理由はこれでしょうか。貸金庫という特性が裏目に出てしまったと。
銀行員の友人の話でもそうですが、基本的に行員はその内容を把握することはできないそうです。
そのため、あれがない、これがないということを立証する方法が非常に難しいとのことです。
銀行側・警察側もきちんとした被害総額の計算等、事実確認に非常に時間がかかったのではないかと考えられます。
容疑者の勤務態度等の関係?
前述しましたが、今村容疑者は勤務態度も良く、昇級試験に合格し総合職になるなど、非常に仕事に対して熱心だったことが伺えます。
「そんな人が横領なんて…嘘でしょ?」と思った行員の方も多かったのかもしれませんね。
金20kgを横領…そのうち1.7億円分を質屋に質入・売却
ちなみに今回の横領事件ですが、被害総額10億円以上と言われるうち金に関しては約20kgで、時価総額にして2.6億円(※注1)だったそうです。
※注1:現在わかっている範囲。実際は金は約7億円相当の被害があったとされている
うち1.7億円は東京都・千葉県の7店舗の質屋にて質入・売却を行っているとのこと。
正直、買取業界の私としてはなかなか気になる部分がありまくりです。一つずつ紐解いていきましょう。
どうやって金1.7億円を質入・売却したのか?
買取業界の民の私としては、「どうやって金1.7億円を売却したのか」ここが非常に非常に気になりました。
以前高島屋の純金茶碗盗難事件でもご紹介しましたが、金の売却は支払額200万円を超えると税務署への支払い調書の提出が必要となります。また、原則マイナンバーカードが必要だったりと通常の買取時よりも一層身元確認が厳しくなります。
超単純な試算にはなってしまいますが、1.7億円を支払い調書の提出が不要な199万円で割ると、85.4…となります。
少なくとも85回以上買取店に出向いて金の質入・買取をしてもらわないといけません。
これは現実的に一人でできることなのでしょうか…。買取店側も流石にここまでの売却となると、何かアクションを起こすor警察から指摘を受ける可能性は高いと思われます。
一人で1.7億円分の金を質入することはかなりリスキーです。
トケマッチのように、買取店に行って質入・売却してもらうための売却要員をどこかで調達してきた可能性が高そうですね。
そもそも単独犯だったのか?(個人の見解)
そもそもこの事件自体、単独犯だったのでしょうか…横領の理由が競馬やFXの損失を補填するためだったためと表向きはなっていますが、他にも何かあるのではないでしょうか。
一人で金の売却を1.7億円分する事自体現実的ではないですし、被害額は10億円以上にものぼることも踏まえると…
「本当に競馬とFXの損失だけだったのか?そもそも単独犯ではなく、組織的な犯行ではないのか?」と感じてしまいました。
まとめ:悪事はいつかは必ずバレる
いかがでしたでしょうか。
今回の事件は、顧客が貸金庫に預けている現金が少なくなっていることから発覚したことが始まりでした。
様々な背景を鑑みると、おそらく顧客からの指摘がなくても遅かれ早かれ警察(買取店)側や、国税局から指摘を受けることで事件が明るみになることは必至だったのではないでしょうか。
「やられたらやり返す、倍返しだ!」なんて昔流行ったキャッチフレーズがありますが、負けたもので負けを返したいという気持ちも、わかります。
特に銀行員であれば尚更、金融商品で負けてしまうのはプライドが許せない部分もあったのでしょう。
投資や馬券で一撃当てたい気持ちは非常にわかりますが…経験上、短略的に一撃当てたら次は一撃思いっきり負けます。
皆様もご自身のリスク許容度を把握し、投資をしていくようにしましょう!
それではまた次回٩( ‘ω’ )و