いつも買取ニュースをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
ブランドバイヤー兼株芸人の井出です。
皆様、レンタルサービスってご利用されたことはありますでしょうか。
私、以前のブログでも書いたようにゆるミニマリストなのですが、冠婚葬祭系の服は基本全てレンタルしています。
…とよく言われるのですが、30代になって結婚ラッシュが落ち着いて、最近は結婚式のお呼ばれも年1〜2回くらいになりました。友達が減ったのかもしれない..,
元々持っていたお呼ばれドレスと、履くたびに絆創膏必須のパンプスは処分して、最近は専らレンタルサービスを利用しております。
もちろん割高にはなってしまいますが、必要な時にサッと利用できて、管理コストの必要のないレンタルサービスは、これからも伸びていくのではないかと感じています。
さてそんな【レンタルサービス】なのですが、ブランドバッグのレンタルで有名な…そう、レクサス…じゃない、ラクサス!
なんとこの冬、来たる12/13にラクサス(正式名称:ラクサステクノロジーズ)が東証グロース市場に上場します。
ということで今回は、ラクサスについて色々語ってまいります!
※本記事では上場予定の企業に関する記載がありますが、売買を推奨するものではありません。
目次
ラクサステクノロジーズってどんな会社?
ラクサステクノロジーズは2006年に設立された会社です。
創業者の児玉さんは学生時代から起業をしていたそうで、起業4社目の会社がこの【ラクサステクノロジーズ】なんだそうです。
テック系企業の経営者あるあるですが、学生起業といい4社起業といい、バイタリティが凄まじい…!
※ちなみに現在は創業者の児玉さんは代表を退き、社外取締役になっております。
現在の主軸事業となるサブスクリプション制のブランドバッグレンタルのサービスを開始したのが2015年2月。
メディアの露出が出てきたのが2019年くらいのイメージでしたが、意外と長いんだなという印象です。
また、アパレル企業の大手【ワールド】が親会社となっており、ラクサステクノロジーズ社の約6割の株式を保有しています。
引用:Laxus
売上構成比について
そんなラクサステクノロジーズの売上構成比としては、このような感じに。
ブランドバッグレンタル【ラクサス】のサブスクリプション:77%
ラクサス社の売上の主軸はレンタルサービスのサブスクリプション(月額利用料)で、全体の77%を占めます。
2024年12月現在、通常プランが1ヶ月10,780円(税込)、2個同時にレンタルできるダブルプランが14,960円(税込)だそうです。
通常プラン:1個バッグをレンタルできる
通常プランは、1個バッグをレンタルできるシステムです。
交換自体は月に何度も可能ですが、1ヶ月の交換が2回を超える場合は、1,100円/回数が月額利用料に加算されるシステムになっています。
ダブルプラン:バッグを2個同時にレンタルできる
ダブルプランはバッグを同時に2個レンタルできるサービスです。
デフォルトではないプランで、通常プランを継続使用し、かつ綺麗に使っているユーザーのみ出現するプランとのことです。
交換は1ヶ月に2回まで可能で、各バッグ1回ずつではなく1個のバッグを2回交換でもOKなんだそう。
2個借りているうちの1つが気に入っている場合はそのまま使用し、片方を2回交換というのは嬉しいシステムですね!
買えちゃうラクサス:7%
これはレンタルしたバッグが買いたいと思ったユーザーが、そのバッグを買える仕組みだそうです。
これ、結構意外だなと感じました。7%もあるんですね。
同業他社への販売:16%
これはラクサス社が保有するレンタル回転率の悪いバッグを、同業他社に売却してできる売上かと思います。
面白い(先進的)と感じる取り組み
さて、そんなブランドバッグのシェアリングサービスを展開するラクサステクノロジーズ社。
ホームページを見ていると、なかなか先進的な取組をされている魅力的な企業だなと感じました。
その中でも2つをピックアップしてみました。
本社が広島県にある
これ結構興味深いなと思ったのが、ラクサステクノロジーズは本社が広島県にあるそうです。
リユース企業である程度規模のある会社の本社は、やはり都市部にあることが多いですよね。
こりゃびっくりじゃけん!という方も多いのでは。というのも、創業者のご出身が広島県だそう。
バッグの保管場所等を考えると、地価の高い都心部にオフィスを構える必要はないですもんね。
また、地方は生活コストが低い分、人件費も都心部に比べると抑えることもできます。
後述しますが、広島県で先進的な取り組みをしていることで、地方創生に一石を投じているのではないでしょうか。
週4正社員・LGBT・事実婚などの制度が充実
求人情報を見ていると、非常に柔軟な対応をされているなと感じます。
特に週4の正社員の求人は業界的にも珍しいのではないでしょうか。
私も子どもを育てていて思うのが、
いや本当にそうなんです。本当にそうなんです。(週5でバリバリ働けているママさんは本当にサイア人だと思っています)
とはいえ、パートだと給与面が…というのも実情。柔軟な働き方を支援する制度はありがたいですよね。
あと、LGBTや事実婚に対しての制度も充実しているそうで、同棲パートナーや内縁パートナーを配偶者と同じ扱いにしているとのことで、忌引きや結婚祝い等もいただけるそうです。
このような取り組みは、失礼ですが地方企業はまだまだ発展途上であることが多いと思います。非常に先進的な取り組みをしているなと感じますね。
業績について
業績に関しては、2020年3月期から比べて右肩あがりに伸びているようです。
また肝心な利益率に関しては2022年より黒字転換しているので、赤字の投資期は一巡して、今は一転して回収期に入っているのではないかと感じます。
リユース業界と比べるのも違うのかもしれませんが、2025年度3月期予想の【売上高26.9億円/黒字6.3億円見込み】は、結構利益率がいいと言えそうですね。
業界人として感じる懸念点
さてここからは、個人的にラクサスに感じる懸念点について語っていこうかと思います。
人気のバッグ、借りられない説は解消してるの?
私のラクサスの印象ですが、人気のバッグは基本借りられていて借りることができないイメージがずっとありました。(というか、今もそうじゃないかと)
これが一番気になりますね。ちなみに2024年12月現在もサイトを見る限り、やはり人気バッグは借りられている率が高いです。
バッグはトレンドの移り変わりが激しいアイテムです。
回転率の悪いバッグを売却して、その資金でトレンド性の高いバッグを仕入れていく。バイヤーの知見やトレンド力にも社運がかかっているとも言えそうです。
投資期は終わった?財務見る限り疑念
気になる点として、アプリを220万人ダウンロードしていて、月額会員数が2万人を割っているということ。
要は転換率が1%もないということですが、この転換率はかなり低いと取れるのではないでしょうか。
これは前述の通り、借りたいバッグがあるのに在庫がなくて離脱しているユーザーが結構いそうですよね。
ラクサス社の売り上げ構成比率を考えても、今後いかに月額会員を増やすかが要であるといえます。
この部分の底上げを考えるとなると、個人的にはまだ投資期は終わって「いない」んじゃないかなと感じます。
【トケマッチ】の二の舞にならないか?
2023年、何かと話題になった時計シェアリングサービスの【トケマッチ】。
一般ユーザーから時計を集めて一般のユーザーに貸出し、借りる側は利用料を払い、貸した側は代わりに報酬が受け取れる、という所謂CtoBtoCのレンタルビジネスでした。
実はラクサスも一般ユーザーからバッグの委託を受け付けているので、トケマッチと同じビジネスモデルのやり方をしています。
経営者がトンズラしたことにフォーカスされがちなトケマッチですが、トケマッチがダメになってしまった根本的な問題として、時計という商品自体が「所有欲を満たすもの」であったと感じます。
要は身につけて他者から「羨ましい!」と思われるというよりは、自分で所有して身につけることで初めて、愉悦を感じることができるユーザーが多かったのかと。何なら身につけずに眺めている方も多いと思います。
私も正直ブランド品については、身につけるより保有して眺める方が好きだったりするので、ラクサスはそのようなコレクター層との相性は悪いといえます。
ここは男性と女性、時計とバッグという特性上違うかもしれません。
個人的には、家電レンタルのレンティオの【使い心地を試してみたい】というユーザーニーズのように、個々人のニーズを引き出せるようなサービス展開やマーケティングに期待したいと思います!
まとめ:人気バッグの仕入れ力。これにかかっていそう
いかがでしたでしょうか。
個人的にはラクサスの業績は【人気バッグの仕入れ力】【ユーザーニーズの引き出し】ここをクリアすると、更なる業績向上が見込めると言えそうです。
競合環境としてはこれといった競合他社がいないことかつ、参入障壁がかなり高いビジネスなので、このままシェアを取り続けていける可能性も十分にあります。
また、ブランドバッグは残存価値が高いのもポイント。今後の展開次第では期待できそうな企業だと感じました。
バッグは管理コストがかかるので、知らないうちに型崩れ、傷が…ということもしばしば。そこを考えると、レンタルという選択肢もありですよね。
ご不要なバッグがありましたら、まずはLINE査定からいかがでしょうか?
それではまた次回٩( ‘ω’ )و