金の価格は、ここ数年で驚くほど値上がりしています。2018年頃には1gあたり5,000円前後だった金の買取価格は、2026年現在なんと23,000円前後。わずか7〜8年で約4倍に高騰しています。
「実家の引き出しに眠っていた指輪」「もう着けなくなったネックレス」も、今なら想像以上の金額になる可能性があります。
ただし、金の買取は「どこに持ち込むか」で結果が大きく変わる、少し特殊な世界でもあります。ノーブランドの地金であれば金買取専門業者、宝石付きやデザイン性のあるジュエリーならブランド買取店、というように、お手持ちの品物によって最適な売り先が変わってくるからです。
さらに、鑑定書の有無や発行元、インゴットや金貨ならではの注意点、刻印があっても油断できない真贋の問題など、知っているかどうかで結果が変わるポイントも数多くあります。
この記事では、お手持ちの貴金属をどこに売るべきかの診断方法から、厳選した買取業者10社、高く売るための注意点、そして知っておくべき金の基礎知識まで、金を売る前に知っておきたい情報を一つにまとめました。大切な貴金属を、納得のいく形で手放すための参考にしてください。
1.今日の金・貴金属買取相場
まずは、今の金・貴金属がどのくらいの価格になるのか、純度別の買取相場を見ていきましょう。
金は日々価格が変動するため、あくまで目安としてご覧ください。
1gあたりの買取価格相場(2026年7月時点)
約21,900円〜23,000円
約20,000円〜21,000円
約16,400円〜17,200円
約12,800円〜13,400円
約9,100円〜9,600円
価格推移(K24・1gあたり)
約5,000円
約6,000円
2万円台を突破
約23,000円
この7〜8年で、金は約4倍に値上がりしています。
2025年に国内小売価格が初めて2万円台を突破したことが大きな転換点で、世界的なインフレ進行や金融不安を背景に、金は安全資産として評価される傾向が強まっています。「実家に眠っている古い金製品」も、当時とは比較にならないほどの価値になっている可能性があります。
その金、実際はいくら?
上記の相場表は「重さ×純度」だけで計算した目安です。宝石が付いているブランド品や、金無垢時計などといった要素は一切反映されていません。
実際には、この後ご紹介する診断次第で、相場表の金額よりも高くなるケースもあります。
お品物の写真と、分かればグラム数・刻印・鑑定書の有無を一緒に送ると、より実際に近い査定額の目安が分かります。手元にある間に、一度確認してみませんか。
※持ち込む先によって結果が変わる理由は、この後の「診断」セクションで詳しく解説しています。
2.その貴金属、どこに売るべきか診断
金・貴金属は「どこに売るか」で結果が大きく変わる、少し特殊な商材です。
地金として重さで評価されるものと、デザイン・ブランド・宝石の価値まで評価されるものでは、有利な売り先が全く違います。
お手持ちの品物がどのタイプか、順番に見ていきましょう。
DIAGNOSIS 01
宝飾品(ジュエリー)の場合

ノーブランド・デザイン性なし
→ 地金専門業者へ
重さ×純度でしか評価されないため、コストの少ない専門業者の方が有利です。
宝石付き・人気デザインに似ている
→ ブランド買取店へ
石やデザインの価値を加味してくれる業者の方が、地金評価より高くなる可能性があります。
宝石付きの場合、鑑定書の有無と発行元が査定額に大きく影響します。
中央宝石研究所(CGL)やGIAなど、AGL(宝石鑑別団体協議会)加盟機関発行の鑑定書があれば有利に働きますが、無名の発行元の鑑定書はあまり影響しません。鑑定書がなくても、宝石に詳しい鑑定士が在籍する買取店であれば、価値を見極めてもらえる場合があります。
DIAGNOSIS 02
インゴット(地金)の場合

田中貴金属・三菱マテリアル等の主要ブランド
→ どの金専門業者でもOK
ほぼ相場通りに買い取ってもらえます。
海外ブランド・無名のインゴット
→ 事前に対応可否の確認を
偽物流通のリスクから、買取自体を断られるケースがあります。
また、500g未満の小型の地金は、精錬コストの関係で手数料が割高になりやすい点も覚えておきましょう。少量ずつ売るより、まとめて売る方が手数料負担の面で有利になるケースが多いです。
DIAGNOSIS 03
金貨の場合

メイプルリーフ金貨など一般的な地金型コイン
→ 金専門業者でOK
重さ・純度に応じた相場通りの価格で、どこでも大差ありません。
記念金貨・希少なコイン
→ コイン専門の販路を持つ買取店へ
田中貴金属は金貨の買取プレミアムを既に廃止しており、希少性・年代によるプレミアムは反映されません。
DIAGNOSIS 04
金無垢時計の場合

金無垢時計は通常18金(K18)が使われています。24金は柔らかすぎて時計には向かないためです。ケースの一部だけ金を使った「コンビモデル」は金無垢とは呼ばれません。
買取価格は「時計としてのブランド価値」と「地金としての素材価値」の高い方で評価されるのが一般的です。ロレックスなど人気ブランドの金無垢モデルは、ほとんどの場合ブランド価値が地金価値を大きく上回るため、素材として売るより時計として売る方が圧倒的に有利です。
保証書や箱がなくても、蛍光X線分析装置があれば、その場で18金の純度を正確に判定できます。ブランド時計の買取に強い業者に相談するのが最適です。
3.金買取のおすすめ業者
ここでは、これまでの診断を踏まえたおすすめの買取業者をご紹介します。
地金として売るのに向いている業者と、ブランド・デザイン評価に強い業者を織り交ぜてご紹介しますので、お手持ちの品物に合わせて選んでください。
各業者の紹介には、宝飾品・インゴット・金貨・金無垢時計の4カテゴリーで得意分野を一覧にしています。
得意分野マークの見方
得意:その業者の専門性・特徴が直接活きるカテゴリー
対応可:専門特化ではないが、対応自体は問題ないカテゴリー
要相談:得意分野ではないが、状況次第で評価される可能性があるカテゴリー
不向き:地金評価のみ・ブランド評価なしなど、構造上向いていないカテゴリー
3-1.Gold Mrs(ゴールドミセス)
出典:Gold Mrs
東京・大阪に実店舗を構える貴金属・ジュエリー専門店です。GIA(米国宝石学会)のG.G.(ジェモロジスト)資格を持つ鑑定士が在籍しており、地金評価だけでは見落とされがちな宝石・デザインの価値までしっかり見極めてもらえます。
査定現場には蛍光X線分析装置を導入しており、刻印が消えている・不明瞭な貴金属でも、成分を正確に判定できます。独自の販売ルートを持つことで、業界内での買取価格競争に対抗できる体制を整えているのも特徴です。
特に金インゴットとプラチナ(Pt900・Pt850)のグラム単価が他社と比べても高いところが強みです。プラチナのリング・ネックレスの純度は基本的にPt900・Pt850になるので、お持ちの方は査定の候補に入れる価値があります。
ゴールドミセスが選ばれる理由
宝石鑑定の国際資格を持つ鑑定士が在籍しているため、地金評価専門の業者では拾いきれない宝石・デザインの価値まで含めた査定が期待できます。
宝飾品
◎
インゴット
◎
金貨
◎
金無垢時計
〇
3-2.GREEBER(グリーバー)
出典:GREEBER
神奈川県の藤沢・鎌倉エリアに実店舗を持つ貴金属専門店です。公式サイトで1gあたりの買取価格を公開し、相場の変動が大きい日には1日に最大5回価格を更新するという、業界内でも徹底した価格の透明性が特徴です。
「掲載価格×グラム数=実際の買取金額」という計算式をそのまま明示しているため、店頭で「やっぱり手数料を引かせていただきます」といった後出しの減額がありません。貴金属メーカーと直接契約を結ぶことで仕入れコストを抑え、その差益を買取価格に還元する仕組みだと説明しています。ただしインゴットについては、偽物流通のリスクを避けるため、国内メーカーの刻印があるものに限定して買取を行っています。
グリーバーが選ばれる理由
公表価格を見ると、K18金のグラム単価がどの買取店と比べても頭一つ抜けています。一方でプラチナ(Pt900)はそこまで突出していません。宝飾品の多くはK18製であるため、この点は多くの方にとって実質的なメリットになります。K18に絞って強気の価格を提示する、いわば「K18特化型」の買取店だと言えます。
宝飾品
◎
インゴット
△
金貨
◎
金無垢時計
〇
3-3.買取大吉
出典:買取大吉
全国に店舗を展開する買取専門店です。貴金属専門の統括責任者が監修した情報発信を行っており、1gあたりの日次価格を公開しています。
金・貴金属だけでなく、着物・ブランド品・切手など幅広いジャンルの買取に対応しているのが特徴です。実家の整理などで、貴金属以外の品物もまとめて査定してもらいたいという場合に、複数の業者を回らずに済む利便性があります。
買取大吉が選ばれる理由
貴金属以外の遺品・不用品もまとめて相談できる幅広さが強みです。実家の片付けなどで複数ジャンルの品物が一度に出てきた場合に便利です。
宝飾品
◎
インゴット
◎
金貨
◎
金無垢時計
〇
3-4.おたからや
出典:おたからや
全国1,700店舗以上を展開する、業界最大規模の買取チェーンです。店舗数の多さは業界随一で、地方在住の方でも近隣店舗を見つけやすいのが強みです。
金・貴金属だけでなく、ブランド品・骨董品・切手など幅広いジャンルを扱っており、Web査定を利用すると買取価格が10%アップする特典もあります。ただし、多くの店舗がフランチャイズ運営のため、店舗によって査定の質にばらつきが出ることがある点は留意しておきましょう。
おたからやが選ばれる理由
業界最大級の店舗網により、近所で気軽に査定してもらえる利便性が最大の強みです。金・貴金属からブランド品、骨董品まで幅広く扱っているため、まとめて査定してほしい方に向いています。
宝飾品
◎
インゴット
◎
金貨
◎
金無垢時計
〇
3-5.リサイクルキング
出典:リサイクルキング
貴金属・宝飾品の買取に強みを持つ専門業者で、年間180億円以上の買取実績を誇ります。
多くの一般的な買取店では「デザインが古い」「チェーンが切れている」といった理由で査定額が下がったり、買取自体を断られたりすることがありますが、リサイクルキングは素材としての価値を正しく見てくれるため、そうした古い・傷んだアクセサリーでも公正な評価が期待できます。
リサイクルキングが選ばれる理由
デザインが古い・変形している・チェーンが切れているといった理由で他店に断られやすい貴金属でも、素材としての価値を正しく評価してもらえます。「値がつかないかも」と諦めていた品物がある方におすすめです。
宝飾品
◎
インゴット
〇
金貨
◎
金無垢時計
〇
3-6.なんぼや
出典:なんぼや
東京銀座・大阪心斎橋などに実店舗を持つ買取専門店です。宝石学の専門知識を持つGG資格者が在籍し、ブランド・宝石・デザインの価値まで含めた査定を行っています。
金・貴金属はもちろん、骨董品専門の子会社を持つなど幅広い査定体制を整えており、海外オークションや輸出ルートも活用した独自の販売網が特徴です。公式サイトでは本日の買取価格相場や、過去30日の価格推移グラフも確認できます。
なんぼやが選ばれる理由
宝石学の専門資格を持つ鑑定士が在籍しているため、地金評価だけでなく宝石・デザインの価値まで見極めてもらえます。海外販路も持つため、国内相場だけに縛られない査定も期待できます。
宝飾品
◎
インゴット
〇
金貨
◎
金無垢時計
◎
3-7.バイセル
出典:バイセル
グロース市場上場企業「バイセルテクノロジーズ」が運営する買取専門店です。テレビCMでの知名度も高く、上場企業ならではの信頼性が魅力です。
金・貴金属だけでなく、着物・切手・古銭・時計など幅広い品目に対応しており、遺品整理でまとめて査定したい場合に便利です。出張買取であれば査定後8日間のクーリングオフ制度があり、査定後に気持ちが変わっても対応してもらえる安心感があります。
バイセルが選ばれる理由
上場企業としての信頼性と、クーリングオフ制度による安心感が強みです。遺品整理などで貴金属以外の品物もまとめて相談したい方に向いています。
宝飾品
◎
インゴット
〇
金貨
◎
金無垢時計
〇
3-8.買取本舗 七福神
出典:七福神
貴金属買取を専門に行う業者です。「1g単価×重量=買取価格」という計算式を、そのまま公式サイトに明記している分かりやすさが特徴です。
手数料や目減りが一切ないことも明言しており、査定前に自分で電卓を叩けば、ほぼ正確な金額を予測できます。金の買取に不慣れで、「専門用語が多くて何を言われているか分からない」という不安がある方でも、シンプルな仕組みなので安心して利用しやすい業者です。
七福神が選ばれる理由
計算式がシンプルで、事前に自分で予測しやすい点が最大の強みです。買取が初めてで、何にどう査定されるか不安な方に向いています。
宝飾品
◎
インゴット
〇
金貨
◎
金無垢時計
〇
3-9.BRAND RE VALUE(ブラリバ)
出典:ブラリバ
宝石・ジュエリーの査定に特化した買取専門店です。多くの買取店が「鑑定書がなければ査定は難しい」というスタンスを取る中、ブラリバは自社に在籍する鑑定士が、鑑定書・鑑別書のない宝石でも独自に価値を見極めて査定するという方針を取っています。
ノーブランドの宝石はもちろん、爪が折れている・石が欠けているといった破損品、リングから外れたルース(裸石)単体でも対応可能です。宝石付きの査定は鑑定書の有無・発行元で大きく結果が変わりますが、「鑑定書を取る余裕がない」「そもそも鑑定書があったか分からない」という方にとって、頼れる選択肢になります。
ブラリバが選ばれる理由
鑑定書がないことを理由に断られがちな宝飾品でも、自社鑑定士による独自評価で査定してもらえる可能性があります。「鑑定書なし」を理由に諦めていた方は、一度相談する価値があります。
宝飾品
◎
インゴット
〇
金貨
◎
金無垢時計
◎
3-10.retro.jp(レトロ)

出典:retro.jp
東京・渋谷に拠点を置くブランド買取業者です。ブランドバッグ・時計・ジュエリーなどを中心に扱っていますが、金・プラチナといった貴金属の買取にも積極的に対応しています。
実店舗を持たず、宅配・出張を中心とした運営体制にすることでコストを抑え、常に世界相場をキャッチした査定を行っているのが特徴です。
retroの強みは、通常なら重さのみで評価されるノーブランドジュエリーでも、人気ブランドに似たデザインであれば「デザイン評価」として重さ以上の価値が加算される可能性がある点です。
実際の査定エピソード
ノーブランドのプラチナリングが、重さの計算より1万円以上高く買い取られたケース
重さのみで計算した場合
¥33,618
Pt900・7.8g×当日相場¥4,310/g
実際の買取価格
¥45,000
差額 約11,000円
このリングには1カラット分のメレダイヤ(細粒の小さなダイヤモンド)が使われており、その分でおよそ1万円を上乗せしています。さらに、ヴァンクリーフ&アーペルの人気シリーズ「ペルレ」に似たデザインだったことも評価の理由でした。
※retro公式YouTubeチャンネル「【密着査定】金・プラチナの買取金額と買取の相場、査定方法まで全て公開!」で紹介された実例参照
近年は高級ブランドジュエリーの買取実績も増えており、貴金属の査定を検討している方は、一度相談してみることで思いのほか高い査定額に出会えるかもしれません。
retro.jpが選ばれる理由
貴金属と一緒にブランドバッグ・時計・ジュエリーなど幅広いアイテムをまとめて査定できるため、複数のジャンルの品物を一度に整理したい方に向いています。
宝飾品
◎
インゴット
△
金貨
◎
金無垢時計
△
4.金を高く売るための注意点
業者を選ぶ際、知っておくと損をしないポイントをまとめました。
「相場通りの価格」を謳う業者は数多くありますが、実際の査定額との差が生まれる理由を知っておくことで、不要な値引きを避けやすくなります。
POINT 01
HPの買取価格と実際の差に注意
多くの金・貴金属業者は、毎朝9〜11時頃に「本日の買取価格」を公式サイトで公表します。ただし、この金額からさらに手数料が引かれるかどうかは業者によって異なります。
また、宝石が付いていたり他の金属とのコンビネーションになっている場合、目分量での見積もりしかできず、実際の査定額と差が出ることもあります。
POINT 02
経験豊かな査定士を選ぶ
ジュエリーや貴金属は、査定士によって経験の差が出やすい商品です。特に宝石の価値やデザイン性の評価は、鑑定士の知識量によって結果が大きく変わります。
何軒も回るのは疲れますが、少なくとも2〜3件は査定を受けて相場を確かめてから、一番信頼できそうなところに売るようにしましょう。
POINT 03
複数店舗で査定額を比較する
日経新聞の調査でも、買取業者間で価格に23倍もの差があったという結果が出ています。1店舗だけで即決せず、必ず複数店舗の査定を比較してから決めましょう。
直接足を運んで比較したい方へ:東京・御徒町は「日本有数の宝飾品の街」として知られ、貴金属・宝石買取の専門店が多数集積しているエリアです。一日で複数店舗を回って比較したい場合は、こうした専門店街を活用するのも一つの方法です。
POINT 04
「期間限定〇%アップ」キャンペーンに注意
買取業者は転売益で経営している以上、キャンペーンで一時的に価格を上げても、利益が出る水準でしか営業できません。「期間限定20%アップ」でようやく相場並みになる店は、通常時の価格が相場より低く設定されている可能性が高いということです。
常に価格を公表している店の「通常価格」の方が、キャンペーン中の他店より高いケースも珍しくありません。
POINT 05
フランチャイズ展開のチェーン店に注意
チェーン展開している買取店の多くはフランチャイズ経営で、看板は同じでも実際の運営者は店舗ごとに異なります。フランチャイズオーナーは数か月の研修だけで開業するケースも多く、鑑定士としての経験が浅いことが少なくありません。
加盟金やロイヤリティの支払いが発生する分、買取価格に跳ね返りやすい構造にもなっています。「全国◯◯店舗」という広告文句だけで選ばず、直営店を丁寧に運営している専門店も検討しましょう。
POINT 06
「テレビCM」「芸能人起用」の店にも一考を
有名タレントを起用したCMには、当然大きな広告費がかかっています。この広告費は最終的に買取価格からの利益で回収する必要があるため、派手な広告を展開している業者ほど、買取価格の利益率は総じて高めに設定されている可能性があります。
知名度の高さと買取価格の高さは必ずしもイコールではない、ということを覚えておきましょう。
5.知っておきたい金の基礎知識
ここからは、金を売る際に知っておくと役立つ基礎知識をまとめました。
直接の売却判断には使わない部分もありますが、知っているとより納得感を持って査定に臨めます。
KNOWLEDGE 01
金の形・種類
金には様々な形や種類があります。映画でよく出てくる金の延べ棒は「インゴット」「地金金」とも呼ばれます。身の回りでは金の時計・ネックレス・指輪・ブレスレットなどのアクセサリーが一般的です。金貨も見たことがあるかもしれません。メイプルリーフ金貨、ウィーン金貨ハーモニー、天皇陛下の記念金貨などがあります。その他、金の眼鏡や金歯なども金には違いありません。
金貨を売る際の注意:メイプルリーフ金貨やウィーン金貨ハーモニーはどこで売っても大差ありませんが、記念金貨は種類によって買取金額が大きく変わります。詳しくは後述の「金貨を売る際の注意点」で解説します。
KNOWLEDGE 02
金の質・純度
金には純度の違いがあり、純度が高いほど価値も高くなります。24金が純度100%の金を意味し、身の回りのアクセサリーに多い18金は純度75%(24分の18)です。純金は柔らかすぎてアクセサリーには適さないため、他の金属を混ぜて硬度を高めています。金の延べ棒(インゴット)は、純度99.99%以上に精錬されたものを指します。
KNOWLEDGE 03
額面より価値が上がってしまった金貨がある
日本の記念金貨には、「10万円」のように額面(お金としての価値)が刻まれているものがあります。これはあくまでも硬貨としての価値なので、銀行に持ち込めば額面通りの金額に両替できます。
ところが、2018年頃から金価格は約4倍にまで高騰しており、金貨に含まれる金そのものの価値(地金価値)が、額面をはるかに超えてしまっているケースが出てきています。
つまり、同じ「10万円」の金貨でも、含まれている金の重さ次第では、両替すると大きく損をしてしまう可能性があるということです。
具体的な計算例は、次の「金貨を売る際の注意点」で詳しく解説します。お手持ちの記念金貨がある方は、両替する前に一度、地金としての価値を確認することを強くおすすめします。
KNOWLEDGE 04
刻印の見方

日本の造幣局の刻印があれば信用度が高いですが、海外の刻印の場合もあります。刻印がなくても本物なら買い取ってもらえます。刻印がない場合は、削ったり、X線を使ったり、比重計を使ったりと様々な真贋鑑定が必要になります。
KNOWLEDGE 05
金メッキとゴールドフィルド
金メッキは他の金属の表面を金で覆ったもので、見ただけでは判別が難しいことがあります。刻印にも「【K18 3M】」のような表記があり、これは3ミクロンの18金メッキという意味です。近年は「ゴールドフィルド」という、真鍮に高い圧力と熱で金を貼り付けた新しいタイプのメッキも登場しています。メッキの20倍の厚さがあり剥がれにくく、ニッケルを含まないため金属アレルギーも起こりにくいのが特徴ですが、売る際には金としての価値はないので注意が必要です。
自分でできる金メッキの見分け方
刻印を確認する(ただし刻印がない場合も多い)
重量を確かめる(金メッキは軽いことが多いが、重さを調整されている場合もある)
磁石を近づける(金は磁石にくっつかないが、反応しないメッキも多い)
比重計で量る(買取業者が行う方法。水中で重さを量るため濡れる)
KNOWLEDGE 06
刻印があっても安心できない?貴金属の真贋判定
比重計は中身が詰まった単純な形状の貴金属には有効ですが、中空製品・コンビ時計・金縁メガネなど複雑な構造のものは判定が困難です。
さらに深刻なリスク:タングステン偽装
タングステンは金とほぼ同じ比重(金:19.3g/cm³、タングステン:約19.25g/cm³)を持つため、比重計では金とタングステンを区別できません。金メッキを施したタングステンを使った偽造インゴット・指輪が実際に存在します。ペンチで切れるか、刻印が深いかといった目安はあるものの、素人判断は困難です。
こうした偽装に対しては、蛍光X線分析装置による判定が有効です。比重に関わらず元素組成を直接判定できるため、比重計だけでは見抜けない偽装も見破ることができます。査定技術の高さも、業者選びの重要なポイントになります。
KNOWLEDGE 07
「リサイクル価格」の裏側にある精錬という工程
買取業者が引き取ったアクセサリーや金貨は、そのまま再販されるのではなく、溶解して不純物を取り除き、純度の高い地金に作り直す工程を経ます。これが「精錬」です。
精錬には専門設備・技術・人件費がかかるため、これが「リサイクル価格」に含まれる手数料の正体です。特に500g未満の小型の地金は、精錬コストが割高になりやすいため、業者によっては別途手数料がかかる場合があります。
一度精錬されると元の形状には戻せないため、思い出の品として残しておきたい場合はよく検討しましょう。また、少量ずつ売るよりまとめて売る方が手数料負担の面で有利になるケースが多い点も覚えておきましょう。
6.金貨を売る際の注意点
天皇陛下御在位60年記念金貨
天皇陛下御即位記念金貨
金貨を売る際は注意が必要です。
メイプルリーフ金貨やウィーン金貨ハーモニーのような一般的な地金型コインなら、どこで売っても大差ありません。しかし、日本の記念金貨には「額面」と「地金としての価値」が大きくズレているものがあります。
2026年時点の実際の価値
額面
100,000円
地金としての価値
約460,000円
額面
100,000円
地金としての価値
約690,000円
両方とも、額面をはるかに超える価値になっています。
つまり、銀行で両替してしまうと大きく損をするということです。どちらも金貨として買取に出すのが正解です。
注意点:日本の金貨・硬貨に穴を空けたり溶かしたりする行為は法律で禁じられています。買取業者によっては、額面を超える金貨の取り扱いに慎重な場合もあるため、記念金貨の実績が豊富な業者(診断チャートの「金貨」欄が◎の業者)に相談するのが確実です。
7.金の売却と税金について
金を売る際、意外と見落とされがちなのが税金の話です。
知らずに売ってしまうと、後から思わぬ形で税務署から連絡が来ることもあります。
基本的な仕組みを押さえておきましょう。
支払調書とは?200万円がボーダーライン
2012年1月1日以降、買取業者が1回の取引で200万円を超える金の買取を行った場合、業者側に「支払調書」を税務署へ提出する義務が生じています。
支払調書には氏名・住所・マイナンバー・売却重量・売却金額が記載され、税務署にそのまま情報が渡ります(対象は個人。法人は対象外)。まとめて200万円を超えて売ると支払調書の対象になるため、金相場が急騰している今、まとまった量をお持ちの方は事前に知っておくべきポイントです。
200万円以下でも申告が必要なケース
200万円以下であれば支払調書の提出義務はありませんが、「バレない」という意味ではありません。
金の売却で得た利益(譲渡所得)は、年間50万円の特別控除があります。つまり、購入額との差額(利益)が50万円以下であれば申告は不要ですが、50万円を超えると確定申告の対象になります。
今の金価格だからこそ注意:金は2018年頃から約4倍に値上がりしているため、当時数万円で購入した金でも、今売ると利益が50万円を超えるケースが増えています。「そんなに高く買っていないから大丈夫」と思い込まず、購入額と売却額の差額を一度計算しておくことをおすすめします。
8.金の買取に関するよくある質問(FAQ)
Q. 刻印がない金でも買取できますか?
ほとんどのお店で買取は可能です。金の刻印がないもの、確認ができなくなっているものでも、比重計や蛍光X線分析装置を使えば金かそれ以外の素材かを判定できます。
Q. チェーンが切れてしまっている金のネックレスは買取できますか?
買取可能です。製品としての評価が入る場合は下がることもありますが、地金としての評価であれば、チェーンが切れていても価値自体は変わりません。
Q. 鑑定書がない宝石付きジュエリーは売れませんか?
売却は可能です。ただし、鑑定書ありの方が査定額に有利なため、紛失した場合は再発行を検討する価値があります。手数料が数千円〜数万円かかるため、まずは鑑定書なしで査定を受け、評価額が数十万円を超えるようなら再発行を検討するのが効率的です。
Q. 200万円を超える金を売ると何か影響がありますか?
1回の取引で200万円を超える金を売却すると、買取業者から税務署へ「支払調書」が提出されます。氏名・住所・マイナンバー・売却重量・金額が記載されるため、まとまった量を売る予定がある方は事前に把握しておくとよいでしょう。
Q. 買取の際に必要なものを教えてください
古物営業法に基づき、買取業者は本人確認を行う義務があります。運転免許証・運転経歴証明書・パスポート・マイナンバーカード・健康保険証・在留カード・特別永住者証明書などの身分証をご用意ください。ただし、令和3年10月1日の消費税法改正以降、在留カードは金・白金地金の取引における本人確認書類としては利用できなくなっている点にご注意ください。宅配買取の場合も、身分を証明する書類のコピーの同梱が必要です。
9.まとめ
金・貴金属の買取は、「どこに持ち込むか」で結果が大きく変わる、意外と奥の深い世界です。
ノーブランドの地金なら地金専門業者、宝石付きやブランドジュエリーなら評価に強い業者、記念金貨や金無垢時計ならそれぞれに向いた業者と、お手持ちの品物によって最適な売り先は変わります。まずは記事内の「診断」を参考に、自分の貴金属がどのタイプかを確認してみてください。
金価格はこの7〜8年で約4倍にまで値上がりしており、実家に眠っていた古い金製品も、当時とは比べ物にならない価値になっている可能性があります。
一方で、記念金貨のように額面より地金価値が上回っているものや、200万円を超える取引にまつわる支払調書など、知らないと損をしたり戸惑ったりする制度もあります。この記事で紹介した基礎知識を踏まえて、安心して売却に臨んでいただければと思います。
1店舗だけで即決せず、複数の業者で査定額を比較することが、後悔しない売却の一番の近道です。
ご紹介した10社は、それぞれ得意分野が異なりますので、まずは気になる業者へ気軽に問い合わせてみてください。
その金、実際はいくら?
複数の角度から撮った写真と、分かればグラム数・刻印・鑑定書の有無を一緒に送ると、より実際に近い査定額の目安が分かります。まずは気軽に確認してみませんか。
















