買取後に買取店から返金依頼が!返金の義務はあるの? | 中古ブランド品の買取業者が教えるブランド買取ニュース

買取後に買取店から返金依頼が!返金の義務はあるの?

皆様の中に、ごくごくごくごく僅かだと思いますが、このような方がいらっしゃるかもしれません。

買取後に「買取基準外が発覚したから、返金してほしい」って言われたんだよね。プロのミスでしょ?これって返金義務あるの?

返金すべきなのか、そもそもどうして買取後に基準外が発覚するのか。
今回は、そんな「買取基準外品の返金」について、法的観点から買取現場のリアルも含め、多角的にお話ししてまいります。

大前提として:買取後に基準外が発覚するケースは然程多くない

まず初めにですが、上記のような【買取後に基準外が発覚し、返金依頼を受けた】お客様へ。
全買取店を代表して謝罪します。ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。
プロが査定を間違えるなんてどうかしている、仰ることはごもっともだと感じています。

大前提としてですが、買取後に基準外が発覚するケースは然程多くありません
というのも、基準外品を買い取ってしまうことをどの買取店も一番一番恐れていて、警戒している部分です。
単純に利益損失になってしまうことはおろか、場合によっては会社の信用にも直結してしまいます

基本的に経験の浅い・査定力に自信がない査定士が査定をする場合、先輩査定士のダブルチェックが入って買取成立となるケースが多いかと思います。
ただ、なぜそのようなフローを組んでおきながら、このようなことが起こってしまうのでしょうか。

買取後に買取基準外と発覚する理由

さて、なぜ買取後に基準外と発覚してしまうのでしょうか。ざっくり分けると、3つの理由が挙げられます。
※あくまで%は私と同業者知人、知り合いからの意見を総合してになりますので、参考程度にしていただけますと幸いです。

他のスタッフが確認して発覚するケース(50%くらい)

これが正直、なんだかんだ多いような気がします。
ちなみに体感的な話で言うと、このようなケースの場合は比較的低単価(〜5万円くらい)なものが多い印象を受けます。

おそらく、査定に慣れて慢心が出てくるとこのようなケースになってしまうと言えるのではないでしょうか。
逆に、高額品は細かくしっかり見たり、複数人に検品を依頼することもあるので意外にも少なかったりします。

 

業者オークションに出品したら、基準外が発覚したケース(45%くらい)

買取店は基本的に、買い取った商品を自社販売網で販売(いわゆる小売)するか、同業他社に販売するかのどちらかで販売しています。
後者である同業他社に販売する際は、業者間の競り(オークション)にて販売するのですが、その際にオークション主から基準外と判定されてしまうケースがあります。こちらも結構多いですね…

 

小売で販売し、お客様から基準外と指摘されたケース(5%くらい)

正直、これが一番あってはならない理由なのですが、小売で販売後にお客様から指摘されるケースです。
ただこれは非常に非常に稀なケースで、私も1度ほどしか経験がございません…いえ、1度も経験があってはいけないと思います。

 

返金依頼があったら、返金に応じないといけないの?

基本的には、返金に応じないといけない

さて。皆様が一番気になる「返金の義務はあるのか」というところですが…
これは大変申し訳ないのですが、返金を請求された場合は応じていただく必要があります

基本的に、どの買取店も買取規約の中に【もし基準外商品の場合、速やかに契約を解除し、返金に応じていただく】という旨を記載しています。
私の知る限りですが、この記載がない買取店は恐らく「ない」のではないでしょうか…

買取店の中でも有名どころのエコリング様、バリュエンスジャパン(なんぼや)様の規約を引用させていただきましたが、各社ごとに多少文章の違いはあれど、兼ね同じ内容を記載していることがわかります。

買取条項をご納得いただいた上での契約となりますので、基本的には返金を要求された場合、お客様は返金に応じていただく必要があります。

 

当社基準外商品は一切買い取りません。弊社にて買取らせていただいた商品が、万が一当社基準外商品であった場合、弊社は催告等何ら手続きを要することなく売買契約を解除することができ、お客様は直ちに弊社から受け取った買取金額ならびに商品を売却したことで発生した費用全てを返金する義務を負い、返金に応じていただきます。

引用:エコリングの買取サービスに関するルール(エコリング様)

 

  1. 売買契約成立後に当社が不正な商品(コピー商品、類似商品、誤認を招く商品又は真物ではない商品、盗品など)と判断した場合、当社は当該売買契約を解除し、当社から支払った代金(キャンペーン等の施策による景品類も含む。)の全部又は一部の返金を請求できるものとします。その場合、お客様は速やかに当該代金を返還しなければなりません。

この表記、法的にどうなの?

さて、この表記は法的にどうなのか…というお話ですが。
私は法律の専門家ではないので、弁護士ドットコムで検索すると同様の質問が数件ヒットしました。

ただ…やはり弁護士の先生の見解も同様で、

買取規約に基準外返金の旨が記載されている場合は、法的には返金に応じていただく必要がありますね。

とのことで、法律上記載に特段問題はないそうです。
買取規約にその旨が書かれている場合ですと、返金していただく必要があると言えるでしょう。

 

買取後に返金依頼があった場合、対応すべきこと

まずは買取契約書の内容を読む

まずは買取契約書の内容を読んでみましょう。
その中に基準外品等の返金に関する記載がなければ、応じる必要がない可能性があります。

ただこれは、前述の通りどこの買取店も記載されている場合が多いです…

買取店側へ交渉をしてみる

これは難しいかもしれませんが、一度買取店側に相談をしてみるのも手です。
特に時間が経ってからの発覚等であれば、多少の返金額の減額や、返金期日も待っていただくことが可能な場合もあるかもしれません

 

買取店からの連絡や返金を無視・ばっくれたらどうなるの?

いやいや、プロのミスなんだからそっちが尻拭いしてくださいよ。こちらは何を言おうと無視しますよ。

…という方もいらっしゃるかもしれませんが、これは非常に良くありません。少なくとも無視は絶対やめましょう。
ちなみに、他社含め一般的なお話をしますと、何度か電話・メールで連絡しても連絡がつかない(=ばっくれられている)場合は、

内容証明郵便の送付→最後通牒(いわゆる最終通告)→訴訟手続き

という流れになります。

実際に訴訟まで発展したケースを私は知りませんが、少額訴訟の場合は原告の勝率が90%を超えるとも言われており(注1)、訴えられてしまうとお客様が敗訴してしまう可能性は非常に高いと言えます。
(注1)参考:少額訴訟と通常訴訟の違い|通常訴訟への移行を回避する術

場合によっては裁判費用等の負担も要求される可能性がありますので、私が言うのも烏滸がましいかとは存じますが、なるべく早めに返金することをお勧めいたします

 

手持ちのお金がなくて返金ができない…そんな場合はどうする?

ちなみに、基準外品の返金をお客様に要求すると、

手持ちのお金がないので、返金できません…

とおっしゃるお客様が一定数いらっしゃいます。
これは実際に本当なのか、嘘なのかわかりません。もしかしたらお金がないと言えば、返済義務は免責されるとお思いの方もいらっしゃるのかもしれません。

しかしながら、原則的には手持ち現金の有無に関わらず返金に応じていただく必要がございます。
もし、本当に手持ちのお金がなくて一括返金が難しいという場合は、買取店側に交渉をしたら分割支払い等でも応じてくれる可能性もありますので、一度相談をしてみてはいかがでしょうか。

 

まとめ:今後も査定時には細心の注意を払ってまいります

いかがでしたでしょうか。

買取店各社が査定時に細心の注意を払っておりますが、職業柄贋物のある商材を扱う特性上、時にこのようなことも起きてしまいます。
一度お買取をした商品の返金・返品対応は、お客様に多大なご迷惑をおかけすることになります。
我々も引き続き、このようなことが起こらないように日々情報をアップデートしつつ、業務に励んでまいります。

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それではまた次回٩( ‘ω’ )و

 

 

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