BEENOSがLINEヤフーにTOB!これからの買取業界はどうなる? | 中古ブランド品の買取業者が教えるブランド買取ニュース

BEENOSがLINEヤフーにTOB!これからの買取業界はどうなる?

皆様、メルカリやヤフオクで出品をしていると【転送業者】に買われたことはないでしょうか。

あーあの海外のお客様が買ってくれているアレね、値下げ交渉なしでサクッと買ってくれるから好き!
封筒にID書いて欲しいとか言う系の購入者よね、なんか嫌だわ〜

結構賛否両論、分かれると思います。
ちなみに私は一般ユーザーよりスムーズに取引ができるので、転送業者に買われるのは嫌には思わないタイプです。むしろ歓迎派だったりします。

さて、そんな転送業者の代表的な会社、buyeeを運営するBEENOSが、なんとLINEヤフーに540億円(1株当たり4,000円)でTOBされる驚きのニュースがありました。

今回は、BEENOSのTOBで起こる買取業界・中古業界の変化、また株主としてのBEENOS愛について語ってまいります。

BEENOS(ビーノス)ってどんな会社?

BEENOSは日本のIT企業で、主にインターネットを活用したビジネスの支援を行っている企業です。
ちなみに社名のBEENOSですが、蜜蜂(BEE)と巣(ハイヴ)を組み合わせた言葉だそうです。
動植物の生態系や繁栄の象徴であるミツバチの巣。六角形の目が増えることで蜂の巣がどんどん大きくなるように、日本を起点に世界が共存共栄で豊かになることに貢献したいという思いが込められているのだとか。

そんなBEENOSの主軸事業としては下記のとおりです。

グローバルコマース事業

いわゆる転送サービスがメイン。海外プラットフォームの商品を購入する際に代理で購入してもらうシステムです。
BEENOSの主軸を担う事業です。
主な事業:Buyee、tenso、セカイモン、FASBEE

エンターテイメント事業

エンタメ業界向けのECショップ構築システム。(類似サービスで言うとGMOのmakeshopのようなイメージ)
アーティストはもちろん、インフルエンサーやアニメのグッズなど、幅広いファングッズの展開に強みがあります。
主な事業:Groobee(グルービー)

インキュベーション事業

越境ECの支援サービスや、日本で働きたい外国人をつなぐマッチングサービスなどの展開。
主な事業:BeeCruise、Linkus

投資事業

国内外のスタートアップへの投資事業。

 

ここにプラスして、2024年まではバリューサイクル(ブランディアとJOYLABの事業)という中古ブランドとお酒の買取事業がありました。

個人的に面白いのが、国内外様々なスタートアップ・新興企業に投資をしている点ですね。内訳を見ると結構新興国のスタートアップにも投資しています。
その点で言うと、少しソフトバンクっぽい会社だったりもします。

 

デファクトスタンダード(ブランディア)との関係

なんでデファクトスタンダードは上場廃止になったの?

デファクトスタンダードの主軸事業、ブランド品買取・販売サービスの【ブランディア

実はBEENOSですが、元々デファクトスタンダード(ブランディア)の親会社でした。

元々デファクトスタンダードは東証一部に上場していたのですが、メルカリ等CtoC売買の活発化に伴い、ブランディアが得意としていたミドルブランドの需要が奪われたことにより業績が悪化することに…

ミドルブランドは買取が安くなりがちです。
1着1万円くらいの服でも、買取だと50円100円になってしまうこともザラ。メルカリで3000円で売れるならそっちに流れちゃいますよね…

デファクトスタンダードの株価を見てもわかりますが、やはりメルカリが台頭してきた頃辺りからガクッと株価が下がってしまっています。

引用:みんかぶ

業績悪化も相まってか2019年に上場廃止になり、デファクトスタンダードはBEENOSの完全子会社になりました。

ちなみに上場廃止の後デファクトの株主はどうなったの?と言うお話ですが、上廃後は自動的にBEENOSの株に交換される形になりました
交換比率はBEENOS:デファクトが1:0.29で、デファクトの株を100株持っているとBEENOSに29株交換される計算です。

 

完全子会社後のデファクトスタンダード社はどうなった?

越境ECに強みのあるBEENOSの完全子会社になったことで、越境販売が強化されデファクトの業績も伸びる…と思われていましたが、ふたを開けてみるとBEENOSの強みがあまり活かされず引き続き厳しい展開に。

そのようなこともあってか、2024年にデファクトスタンダードとJOYLAB(注1)はオークネットにM&Aされることになりました
オークネットには自社オークションもありますし、子会社にはギャラリーレアもあるので、低単価〜高単価なものまで幅広く販路に強みがあります。このM&Aは双方に良かったのではないかと感じます。
※注1:JOYLABは酒類買取の会社でデファクトとは別法人ですが、ブランディアの店内でお酒の買取も行っているので、デファクトとはニコイチの関係です。(デファクトを買収するなら一緒に買わないといけない関係)

2025年現在、デファクトスタンダード社はオークネットの子会社になっています。

 

なぜTOBになったのか?(個人の予想)

さて、なぜBEENOSはTOBされることになるのでしょうか…
こればかりはBEENOSのみぞ知るところですが、個人的にはアクティビストからの攻撃が結構きつかったのかなと。

BEENOSホルダーの方はご存知だと思いますが、ここ最近のBEENOSは、業績がパッとしない割に株価がぐんぐん伸びていました。
この株価の上昇の要因と思われることが、アクティビストと呼ばれる「もの言う株主」の保有株数が増えたことではないかと。

年初来で見てみると、かなり上がっていますよね…(TOB発表前でも3,400円くらいありました)

一般的に、アクティビストは株価を上げるため(=アクティビスト側が儲けを出すため)にさまざまな株主提案をするので、業績・株価ともに良い影響をもたらす傾向にあります。ただ中には経営陣に対して、業績を上げるべく無茶振りを強いるアクティビストもいたりします。

ちなみにBEENOSの株主比率的に、所謂超大株主がいない状態(創業者・現社長ですら2%ずつしか保有していないんです)かつ、プライム上場企業としては小型株に該当します。

ちなみに、2024年の2月ごろは時価総額が200億円を割れていて、このままプライム市場を維持できるの?と質問していた株主の方もいらっしゃったくらいでした。

このような状況はアクティビストから見ると格好の餌食と言いますか…狙われやすい企業であったのは頷けます。

実際に今年はアクティビストから株主提案もあったので、そのような攻撃がきつかったのではないかと推測します。

 

TOBで起こる変化(考えられること)

海外ユーザーからの購入がもっと安易に(=内外価格差が縮まる可能性が高い)

やはりLINEヤフーの大きな資本が入ることになるので、より海外ユーザーが日本国内のマーケットの中古品を買いやすいプラットフォームになる可能性は高そうですね。

現在日本で売れる金額と、海外で売れる金額にはある程度価格差がある印象ですが、この差額がどんどん縮まっていくのではないでしょうか。
この差額を活かして利鞘を得ていた業者の方は、苦戦を強いられる展開になるのかもしれません。

買取業界としては、より海外需要も見越して買取をしないと他社に競り負ける可能性が非常に高くなりそうですね。
常に海外のトレンド等も追っていく必要があるといえそうです。

 

国内ミドルブランドの再評価?(個人の憶測です)

これは完全に個人の予想ですが、LINEヤフーグループにはZOZOがあります。
ZOZOはミドルブランドに強みを持つのが特徴ですよね。昨今はファストファッションの勢いが強いので、ミドルブランドは苦戦しているのかと思いきや…
実はZOZO、意外にも業績が好調だったりします。

ZOZOでは新品はもちろん、ZOZOUSEDといって中古品の扱いもあります。
ZOZOとbuyeeが連携することで、より海外の方から日本のミドルブランドが購入される可能性も高くなると言えるのではないでしょうか。

かつてはミドルブランドに強みのあったデファクトスタンダード。そこを手放したBEENOSとしては、なかなか皮肉な展開かもしれません。
海外展開が手軽になっていく中で、今後ミドルブランドの再評価(=相場上昇)の可能性もあるかもしれませんね。

引用:ZOZOTOWN

 

ホワイトナイト(他社によるTOB阻止)はあり得るのか…?

BEENOS・LINEヤフー共にwin-winと思われそうなこのTOB。
この状況を黙っていられるか!というのが、メルカリと楽天でしょうか。
特にBEENOSとメルカリはメルカリUSで連携しているので、元々繋がりのある企業です。もしかしたらホワイトナイトもあるのかな?と感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。

ただ、楽天は社債問題で資金体力的に難しそうですし、メルカリもここ最近の業績等を鑑みると下火傾向です。
また、時価総額の点からしてもLINEヤフーがこの三社の中では一番抜きんでています

各社の時価総額

LINEヤフー:約3兆円/楽天:約1.8兆円/メルカリ:約3,000億円
※2025.1現在

 

総合的に考えると、個人的にホワイトナイトは「ない可能性が高い」と感じます。

 

【直井推し】5年間ホルダーとして付き合ってきて思ったこと

実は私、BEENOSは5年以上ホルダーでございました。
元々デファクトスタンダードの株主だったのですが、2019年に上場廃止+BEENOSに株式交換されたことでBEENOSホルダーになり、そこから売ったり買ったりはしたものの株数は切らさなかったので、なんだかんだ思い入れのある銘柄でした。

ちなみにTOBされること自体は、今年の頭から様々なアクティビストが株数を増やしていたこともあり、ゆくゆくはどこかに買われるだろうとは思っていました。意外にも早かったなという印象です。
直近決算で配当も40円に増配され、これからか!と思ったところTOBになってしまったのは、プレミア価格でのTOBといえど少し寂しい気持ちもあります(BEENOS IRチャンネルをリアルタイムで毎回視聴するくらいでした…)

BEENOSの決算説明動画では毎回「売上利益50億円を目指す!」って直井社長が意気込むのがお決まりだったのですが、これももう見れなくなるのか〜と。個人的に直井社長は推しの社長だったので、漢・直井が見れなくなるのは結構寂しいですね…

 

まとめ:より一層Used In Japanの強さが発揮される?

いかがでしたでしょうか。
LINEヤフーの大きな資本が入ることで、今後越境ECがより手軽なものになる未来が近いのではないかと感じています。

日本の中古品は質がいいことからUsed In Japanとも言われており、昨今では業者オークションに海外バイヤーの参加も非常に目立ってきています。
今後もUsed In Japan、日本の中古品への高い買い需要が見込まれそうです。

 

お手持ちのブランド品を査定したい方は、まずはLINE査定からいかがでしょうか?

 

それではまた次回٩( ‘ω’ )و

 

 

 

 

SNSでもご購読できます。