皆様、不用品を売却する際に買取店を利用されるかと思いますが、その際に【質入】を検討された方もいらっしゃるのではないでしょうか。
質入と買取、どう使い分けたらいいんだろう?そんな疑問も出てきますね。
今回はそんな【買取】と【質入】の違いや、使い分けを考えていきたいと思います。
目次
結論:買取=不用品売却 質入=一時的な資金調達
そもそも論として、買取と質入は窓口が同じといえど、目的は似て非なるものです。
買取は一度売却を決めてしまうと所有権が買取店側に移るので、基本的に買い戻しができません。
一方、質入は品物を担保にすることで代金を受け取り、一定期間内に利息と代金を払えば商品を取り戻すことができます。また、利息だけ払えば質入期間を伸ばすこともできます。
個人的な意見としては、買取は不用品売却、質入は一時的な資金調達という感じでしょうか。
買取はどんな人向き?
買取は前述の通り、一度売却してしまうと基本的に取り戻すことができません。
また、後述しますが質入より買取の方が基本的に提示金額は高いです。そのため、物との訣別ができている方は買取がおすすめです。
質入はどんな人向き?
質入は基本的に、一時的に現金が必要な方、かつ目先で回収できる目処が立っている方向けでしょうか。
例を出してみると、
・経営者や自営業の方などで、キャッシュフローの影響で一時的に資金が必要な場合
・サラリーマンの方でお給料日前に一時的にお金が足りない場合
などが当てはまるのかなと思います。
買取と質入は金額は違うの?
これは正直にお答えしますと、違います。一般的には買取の方が金額が高いです。
体感的には買取が100万円であれば、質入ですと75〜90万円くらいになる印象かなと。
ただ、今質屋さんも苦境なのか、商品によっては買取とほぼ変わらない金額を提示するケースもあるそうです。
特にロレックスなどの高級時計など、一定の需要の高い物はそのような場合があります。
質入ってどの買取店でもできる?
質入はどの買取店でもできるわけではありません。質と買取を両方行っているお店でのみ、質入ができます。
大手ですと大黒屋さんなどが挙げられます。コメ兵さん、なんぼやさんといった買取専門のお店では質入はできません。

なんで質屋さんって新規出店がないんだろう…?
買取店はここ数年で爆発的に増えていますが、質屋さんって昔からあるお店のイメージで、増えている感じはないですよね。
そうなんです。質屋さん、実は増えていないんです。
というのも、質屋さんは質入商品を質蔵(しちぐら)と言われる倉庫で保管されるのですが、質蔵の設置基準は各都道府県によって厳格に定められております。
例えば東京都の場合ですとこのような感じに。
(目的)
第1条 この規則は、質屋営業法(昭和25年法律第158号)第7条の規定に基づき、質屋が保管する質物について、火災、盗難等の予防のために設けなければならない保管設備(以下「保管設備」という。)の設置基準に関し、必要な事項を定めることを目的とする。
(設置場所)
第2条 保管設備は、営業所と同一の敷地内に設けなければならない。ただし、やむを得ない場合は、近接する他の敷地内に設けることができる。
(規模)
第3条 保管設備の大きさは、有効に使われる部分の床面積が11平方メートル以上であり、かつ、その容積が30立方メートル以上でなければならない。
(構造及び防火設備)
第4条 保管設備の主要構造部(以下「主要構造部」という。)は、建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第7号に定める耐火構造としなければならない。
2 保管設備の開口部(専ら換気のために設けられたものを除く。第6条第1項において同じ。)には、建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第112条に定める特定防火設備を設けなければならない。
3 保管設備の出入口には、消火器を備え付けなければならない。
こちら一部抜粋なのですが、簡単に分かりやすくいうと

防犯面高めるために堅牢性重視して作ってね!
火災が起きないように防火性の高い素材にしてね!
ちゃんと消火器置いてね!
あ、ネズミ来ないようにネズミ返しとかも設置してね!
こんな感じでしょうか。なかなか条件がハードだなと感じるのは私だけではないはずです。
買取業界は比較的低コストで独立しやすい業界と言われますが、質屋さんが増えないのはこういった理由が大きそうですね。
まとめ:質入と買取、賢く使い分けましょう!
いかがでしたでしょうか。
ちなみに井出は質入、使ったことがありません。私も使うとしたら株の追証の時とかかなあ…(やめなさい)
私は質屋さんで働いた経験がないので質入をされる方の属性はわからないのですが、経営者の方が多いのかなーと思います。
最近は質屋さんも初回利用ですと利息1%など、良心的な利息設定にしているお店もあったりします。
急に物入りになった場合は、うまく質屋さんを使うのもアリかもしれませんね!
それではまた次回٩( ‘ω’ )و